交際費課税の改正について


交際費に対する課税

 昔は、「社用族」なんて言葉が流行るくらい、会社のカネで飲み食いする事が、常識的に行われていた時代もありましたが、現在のこの不景気の中では、必要ある時以外は、接待などは控えている会社が多いのではないでしょうか?
 以前は、交際費も必要経費に算入する(損金算入)が認められていたのですが、現在は
原則として損金算入は認められていません。ただし、資本金が5,000万円以下の中小法人については、まだまだ交際費の支出が必要である場合も多いので(取引先の接待なんかは業務上必要ですよね。小さい会社の場合は。)、部分的に損金算入を認める事にしています。

 つまり、資本金
5,000万円超の会社の場合は、支出交際費は全額損金とならず(全額損金不算入)、資本金5,000万円以下の会社の場合は、支出交際費の一部は損金になりません(一部損金不算入)。つまり、いずれにせよ、交際費の支出に対しては、損金算入できない部分があることとなり、言い換えれば、「交際費は課税される」ということとになります。


ballorange.gif (239 バイト)法律が変わりました
 
 平成10年の法人税改正で、資本金5,000万円以下の会社の損金不算入額について、一部改正がありました。(平成10年4月以降開始の事業年度について)
 いままでは、支出交際費のうち300万円以下(資本金が1,000万円以下の会社の場合は400万円以下)の部分について、10%が損金不算入となっていましたが、今後は
20%となります。

資 本 金 額

改  正  前

改  正  後

5,000万円超 全額損金不算入 全額損金不算入
1,000万円超5,000万円未満 300万円超の部分は損金不算入。300万円以下の部分は10%が損金不算入 300万円超の部分は損金不算入。300万円以下の部分は20%が損金不算入
1,000万円以下 400万円超の部分は損金不算入。400万円以下の部分は10%が損金不算入 400万円超の部分は損金不算入。400万円以下の部分は20%が損金不算入

 ※平成10年4月以降に開始する事業年度から適用されます。


計 算 例)
 毎年300万円ずつ交際費を使っている会社(資本金1,000万円)の場合
 支出した交際費に対して課される税額
 
   改正前: 300万×10%(損金不算入割合)×28%(税率)= 84,000円

   改正後: 300万×20%(損金不算入割合)×25%(税率)=150,000円


      注) 課税所得が800万円以下の部分に対する税率は25%に引き下げられました


 上記計算例でも明らかなように、税率が下がったとは言え、この交際費課税の改正により、大幅な税負担の増加が見込まれますので、とくに中小企業の方は交際費の支出には注意が必要です。

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